2011/01/23

社会人として投げかけられる、問

1週間ほど前、内定先で2回目の内定者集合日がありました。

この時、先輩社員(人事)の方と面談する機会があり、

そのやりとりの中でとても印象深い言葉を頂いたので記録として残しておきます。


僕が内定を頂いた会社では、入社までに数回課題が提示されます。

この課題は、社長を初めとして、数人のベテランの先輩方からの出題です。

基本的な流れは、

1. 課題提示から1週間以内にそれをまとめ、人事に提出

2. しばらくすると出題者からベストアンサーの発表と、全体に対しての好評

と言った感じです。


課題はとても漠然とした問いかけで、具体的に何が求められているのか、

何が答えなのかさっぱり分かりません。

当然、それを考えるのも"課題"という訳です。


さらに、

・アウトプットはA4一枚(立体物不可)。

・文字数は100文字以内。

という条件付きです。


この辺の条件はなんとなく、広告代理店会社らしいなと感じます。
(もちろん簡潔に物事を表現するのはすべての基本ですが…)


一回目の課題のさい、僕は時間に終われ自分の中で煮え切らないまま課題を提出しました。

決して、舐めていたわけではありませんが、

"正直そこまで重く捉えていなかった"と思っていたのが本音です。


この時の(全体に対しての)好評は、簡単にいえば

「ベストアンサーなし!お前らほんまに真剣に考えたか?」

といったものでした。


全体への好評ですが、この好評を見たときは正直胸を突かれたような思いをしました。

1回目の反省を生かし、2回目の課題は、自分なりに真剣に考え提出しました。

結果は

ベストアンサーなし。

出題者は別の方でしたが

1回目と同様の好評が返ってきました。


しかし、今回は最優秀賞(ベストアンサー)はなかったのですが、

強いて言えば、ということで優秀賞が2作品選ばれていました。


僕の提出物ではありませんでしたが、優秀賞の作品は

自分の考えかたと近いものがあり、

"決して大差で負けたわけではない"、"むしろ惜しかったのではないか?"という感想を抱きました。

たしかに、自分の表現に甘いところはあったが、次こそはベストアンサーを狙えると感じていました。


しかし、同時に悔しくもあり、

自分のコンセプトを話す場があれば、もっと理解してもらえるはず、

一方的な、全体へのレビューだけでなく、(入社後でもいいから)自分の提案について、

出題者の方とインタラクティブな意見交換をする場があればいいのに、と強く感じました。


そこで、内定者集合の面談のさい、

人事の方から「課題について思うところはあるか」という質問を頂いたので、

意見交換の場が欲しいという、自分の意見を正直に伝えました。


その僕の意見に対し、人事の方が仰った言葉にとてもハッとさせられました。

実際の仕事では、そんなことはありえない。
例えば、広告コンペで他社と競い負けた場合、
クライアントが親切に"なぜ御社の提案は不採用かと言うと…"
などと説明してくれない。

考えて見れば当然なことです。

この言葉に、自分がいかに学生気分でいるかを思い知らされました。


たとえ、本当に自分のアイデアが優れたものであったとしても、

選ばれなければそれが結果です。


もしかしたら、そのアイデアの魅力を表現できなかったのかもしれない、

ただ単に、アイデアが劣ったものだったのかも知れない、


それでもそんなことをクライアントに根掘り葉掘り聞けるはずがない。


どこかで、答えを投げかければ親切に答えてくれる人がいる、

フォローしてくれる人がいる、という甘えがあったのだと思います。


自分が踏み入れるのは、今まで以上に答えのない世界。

クライアントの要望も必ずしも具体的なものではない。

というか、むしろそうじゃない方が多い。

それでも、消費者の心を動かすものを創り続けなければならない。


それを再確認できました。



もう一つ印象に残ったこと。

面談の際に、同席していた同期が

「三回目の課題はいつごろ発表されますか?自分は修論があるので、
時間が十分にとれないかもしれない。」

と言う質問をしていました。


それに対する人事の方の返答の要約です。

今回の課題は、後々、入社してから使用するとか、
評価に直接結びつくといったものではない。
だから、学業でどうしても時間がとれないならば、
それは仕方ないかもしれい。
しかし、自分たちが言いたいことは
"考えることを辞めないでほしい"ということだ。
だから、提出時に自分で納得がいかないならば、その後も考え続けてほしい。
考えて、考えて、考え切って欲しい。

この"考えることを辞めないでほしい"という言葉が、とても印象深く残っています。

考える事をやめずに、100%考え切ること。

シンプルなメッセージですが、すごく胸に突き刺さりました。

言うは易く行なうは難し。


入社までに、もう一度、社会にでるということを自分なりに見つめ直してみようと思います。

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